そうだ、すべて思い出した。このスナックのママのヒミツ、それは他国からのスパイということである。
自分はこの女性を捕まえるために足取りをずっと追っていた。しかしこの店にいるという情報はつかんでいたが、どういうわけかここへ潜入するといつも記憶が消えてしまうのだ。
しかし、ついにやった。これで仕舞いだ、この女性はこのまま署に連れていこう。
「そう…まさか全て分かっちゃうなんてね。ほんと、あなた優秀だわ。」
謎を解いた報酬に返す約束をした自分の警察手帳をママが取り出した途端、突然体がしびれるようにいうことを聞かなくなった。何だ?体が動かない、猛烈に、眠い…その様子をママは当然のことであるかのように見つめたまま話しかける。
「正体を暴くことは気にしていないわ、この手帳を見たときからいずれバレるのは分かっていたもの。だけど、私あなたのこと気に入っていたのに、どうして私の嫌いなことをするのかしらねェ・・・もういいわ、さようなら優秀な捜査官さん。今度会うときは私の機嫌を損ねないでね♡」
ママのその言葉を最後に眠気で限界だった意識が手元を離れた。
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「………さん、大丈夫ですか⁉工作員は…⁉」
上半身をカウンターの上で激しく体を揺さぶられてハッと意識が現実にかえる。
どうやら自分からの連絡を待っていた警察がしびれを切らしスナックに入ってきたようだ。しかし、すでにママは去った後だった。
酒に睡眠薬でも入れられていたのだろう、うかつだった。しかしママの正体は突き止めたのだ。次こそは必ず、捕まえなくては・・・。
スナック 愛 ~ママ{愛美}のヒミツ~
ENDING1/2.【エージェント】